個人事業主になれない人とは?向いている人の特徴も解説

個人事業主になれない人とは?向いている人の特徴も解説

このような疑問を持っていませんか?

この記事では、個人事業主になるためのメソッドについてご紹介します。

最後まで読むことで、個人事業主に向く・向かない人の特徴や職種ランキング、仕事を探す方法について学べるでしょう。

また、個人事業主のメリット・デメリットや、個人事業主になる前のやることリスト、必要な費用についても触れているので参考にしてみてください。

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個人事業主になれない人の特徴

個人事業主になれない人の特徴

個人事業主になれない人の特徴は以下の5つです。

  1. 自己管理が苦手な人
  2. 優柔不断で決断力のない人
  3. 人との信頼関係を構築できない人
  4. 自己成長のための努力ができない人
  5. 現状に満足している人

自己管理が苦手な人

自己管理が苦手な人は個人事業主に向かないでしょう。

会社員と異なり、個人事業主は自由な働き方ができる分、すべてが自己責任になるからです。

例えば、午後遅くに起床して仕事をはじめても、納期に間に合えば誰からも文句はいわれないでしょう。

ただし、不摂生が災いして体を壊しても誰も助けてはくれないため、自己管理と健康管理に徹底してください。

優柔不断で決断力のない人

優柔不断で決断力がない人は、個人事業主には向いていないでしょう。

個人事業主は自身が事業経営者となり、業務上で重大な決断を迫られることがあるからです。

例えば商品・サービスの選択・価格設定・マーケティング戦略など、迅速で的確な判断が求められます。

競争の激しいビジネス業界での生き残りが難しいこともあるため、決断力に欠ける人は個人事業主よりも会社員を続けるほうが賢明でしょう。

人との信頼関係を構築できない人

ビジネス業界では人脈が乏しいと成功が厳しいため、信頼関係の構築が苦手な人は個人事業主に向かないでしょう。

これは在宅ワークが中心のWebデザイナーやエンジニアにもあてはまります。

在宅ワークは人と接触する機会が少ないものの、ビジネスツールを通したクライアントとのやり取りは避けられません

また、事業が拡大すると同業者から仕事を依頼されるケースもあり、新たなコミュニケーションが生まれます。

このようなビジネスチャンスを逃さないためにも、個人事業主を目指す人は日頃からコミュニケーション能力を磨いて信頼構築に努めましょう。

自己成長のための努力ができない人

成長のための勉強や自己投資ができない人は、個人事業主になるのが難しいでしょう。

ビジネス業界は移り変わりが激しく、時代のニーズに合った価値提供ができないと生き残れないからです。

特に数ヶ月単位で変化し続けるIT業界の場合、1年前のビジネスモデルやWeb制作技術を戦略に持ち出しても通用しないことがあります。

個人事業主として成功するためには、時代にニーズに合ったビジネスを継続する努力が必要です。

現状に満足している人

現状に満足して新しい展望に目を向けない人は、個人事業主として成長できないでしょう。

なぜなら、ビジネス市場や顧客ニーズは常に変化しており、競争が激化しているからです。

例えITエンジニアとして高収入を稼いでいても、自己成長と価値提供ができなければ今後の収入は激減するでしょう。

事業がうまくいっていても、現状維持をすることなく果敢に挑戦することが成功の秘訣です。

個人事業主に向いてる性格の特徴

個人事業主に向いてる性格の特徴は以下の3つです。

  1. 向上心が高くやるべきことに着実に取り組める
  2. ものごとを客観的に分析できる
  3. 責任感が強い

向上心が高くやるべきことに着実に取り組める

向上心を持ってやるべきことを着実に進められる人は、個人事業主として成功できるでしょう。

理由はあらゆる業務に対応できるようになると、自分ひとりでも事業展開が可能になるからです。

個人事業主の場合、事業に携わる人員は自分ひとりしかいません。

会社に在籍している間は、経営者や営業マンが新しい仕事を獲得し、制作・経理・総務などのオフィス業務は内勤の社員が担当してくれます。

しかし会社から独立して個人経営になると、営業や事務処理もすべて自分が引き受けることになるのです。※家族経営や外注化の場合は除く

長年会社員として働き、個人事業主の経験がない人は、副業から少しずつ事業運営の力をつけておくことをおすすめします。

ものごとを客観的に分析できる

客観的な視点を持てる人は、個人事業主としての素質があるでしょう。

個人事業主として健全に事業展開するには、冷静な市場分析・実践・検証・改良を繰り返す必要があるからです。

例えば物販で事業をはじめる場合、まず誰に何を売ればいいか調べるため、市場リサーチから入ります。

次に実際に販売してみて売れたものと売れなかったものを分析し、仕入れる商品を入れ替えながら再度販売します。

それを繰り返すことで徐々にどこで何が売れるか見極められるようになり、売上・利益を伸ばせるようになるのです。

物販を事例に取り上げましたが、Webライターやエンジニアなどの在宅ワークにも同様のことがあてはまります。

責任感が強い

個人事業主は、自分が経営者となり決定権を握るため、すべての行動や選択に責任が求められます。

例えば顧客やパートナーとの約束を守ることや、選択を間違えて失敗の改善に努めることも責任のひとつです。

責任感の強い人は真摯に自分のビジネスと向き合うことでクライアントとの信頼関係を築き、成功に近づけるでしょう。

個人事業主の職種ランキングBEST5

個人事業主の職種ランキングBEST5

個人事業主におすすめの職種をランキング形式でご紹介します。

  1. 1位|ITエンジニア・プログラマー
  2. 2位|ライター・編集者
  3. 3位|デリバリースタッフ
  4. 4位|ビジネスコンサルタント
  5. 5位|カスタマースタッフ

1位|ITエンジニア・プログラマー

ITエンジニア・プログラマーは、個人事業主に最もおすすめの職種です。

なぜなら、IT業界は需要が高いにもかかわらず長年人材確保に苦戦しているからです。

大手クラウドソーシングやフリーランスエージェントでもIT技術者向けのサービスが数多く存在します。

専門性が求められるIT業界では、職種も豊富なうえ高収入を目指せるため、Web制作の経験がある人はぜひ挑戦してみてください。

ITエンジニア・プログラマーの職種

職種 特徴
フロントエンドエンジニア Webアプリケーション・サイトのユーザーインターフェースを開発するエンジニア。HTML・CSS・JavaScriptなどを駆使してユーザーの目に映る外的要素の設計と実装をおこなう。
バックエンドエンジニア Pythonなどを駆使してサーバ構築とサーバサイドプログラムの開発を担うエンジニア。担当業務が幅広いため、Web制作全般の知識とスキルが求められる。
フルスタックエンジニア 複数のWeb開発をマルチにおこなうエンジニア。開発業務の組み合わせに決まりはない。例えばフロントエンドとバックエンド、Webサイトとアプリ開発などがある。
データベースエンジニア データベースの設計・構築・運用・保守などをおこなうエンジニア。SQLを駆使してデータの取得・更新・クエリの最適化などを担当する。
モバイルアプリエンジニア スマートフォンやタブレット向けのアプリを開発するエンジニア。iOS・Androidプラットフォームでの開発経験が必要。
ゲーム開発エンジニア スマホ・タブレット・パソコン用のゲームアプリを開発するエンジニア。グラフィックスやゲームプレイの実装など幅広いスキルが求められる。

2位|ライター・編集者

ライターや編集者も、個人事業主に人気の職業です。

ライターとは、キーワードやテーマに沿って文章を作成する職業です。

特定のテーマに関する専門知識や情報収集能力、読者のニーズを理解したターゲットを把握する力が求められます。

一方、編集者とは文章の正確性や文体の統一性を確保し、記事の品質向上を目指す職業です。

リサーチ・SEO最適化・校閲・校正など幅広いスキルが欠かせません。

いずれもクライアントや制作メンバーとのコミュニケーションが不可欠で、締切を守りながら柔軟に対応することが大切です。

ライター・編集者の職種

職種 特徴
コピーライター 商品・サービスの特徴を伝える広告用の文章を制作するライター。クリエイティブな表現力やターゲットニーズを把握する能力が求められる。
取材ライター 企業や店舗に赴き、取材した内容を文章にまとめて伝えるライター。事実を正確に伝えるスキルや情報収集能力、取材相手とのコミュニケーション能力が求められる。
コンテンツライター ブログやWebサイトに掲載する記事を執筆するライター。サイトジャンルの専門知識や想定読者の把握、伝わりやすい文章表現力が必要。
テクニカルライター コンピューターなどの機械製品に関するマニュアルを執筆するライター。技術的な知識と複雑な情報をわかりやすく伝えるスキルが必要。
編集者 ライターが作成した記事の校正や修正指示をおこない、コンテンツの統一性を持たせる職業。記事の骨組みとなる構成案やキーワード選定を担当することもある。
編集ディレクター 編集チームを統率してコンテンツの方向性を見極め、品質管理をおこなう職業。編集プロセスの全体を統括する。ディレクション・マネジメント・コミュニケーション能力が求められる。

3位|デリバリースタッフ

デリバリースタッフとは、食品や商品を顧客に届ける個人事業主に人気の職業です。

迅速かつ丁寧な配達が求められるため、時間管理や地理的知識が必要になります。

また、バイクや自転車移動が基本となるデリバリースタッフは交通事故のリスクがともないます。

交通状況や天候を考慮し、自転車保険に加入するなど安心性を確保して業務に勤めてください。

デリバリースタッフの職種

職種 特徴
フードデリバリースタッフ 飲食店からの料理を配達する職業。食品の取り扱いに注意しながら正確な配達と丁寧な接客をおこなう。代表的なフードデリバリー企業にUber Eats・出前館・Woltなどがある。
マックデリバリー マクドナルドの宅配サービス。モバイルオーダーなどで顧客から注文された商品を専用バイクで配達する。
ピザ配達員 ピザの専門配達員。デリバリー専用のバイクを活用し、時間内に顧客のもとへピザを届ける。

4位|ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタントとは、企業や個人に対して経営戦略や業務プロセスの改善をサポートする職業です。

クライアントのニーズを把握し、現状の問題を特定して解決策を模索・提供します。

ビジネスコンサルタントは、市場の分析能力や問題解決能力など高度なスキルが求められ、経営経験がないと難しい傾向があります。

一方、1案件あたりのコンサル料は十数万円にのぼることもあり、少ない稼働時間で高収入を稼げるのが魅力です。

ビジネスコンサルタントの職種

職種 特徴
戦略コンサルタント 企業の経営戦略をサポートする専門家。市場調査や競合分析をから企業の方向性をアドバイスする。
財務コンサルタント 財務戦略や資金調達に関する支援をおこなう専門家。収益拡大やコスト削減の方法をクライアントに提供する。
組織・人事コンサルタント 企業内の組織構造や人材管理に関する改善策を提案する専門家。適切な人材の確保と育成をサポートする。
マーケティングコンサルタント マーケティング戦略や広告キャンペーン企画を提案する専門家。市場動向分析やブランド戦略をサポートする。
法務コンサルタント 法律に関する相談やアドバイスをおこなう専門家。企業活動における法的リスクを回避し、コンプライアンスを確保する。

5位|カスタマースタッフ

カスタマースタッフとは、企業の商品・サービスに関する顧客からの問い合わせに対応する職業です。

主に電話やメール、オンラインチャットにて顧客とコミュニケーションを取ります。

近年は通勤業務に限らず、業務委託として在宅でもカスタマーサポートの仕事ができるようになり、働きやすくなりました

カスタマーサポートは、通勤・在宅いずれも比較的内定率の高い職業です。

しかし、商品・サービスに関する専門知識や、顧客への適切なアドバイスが求められる難しさもあります。

また、クレーム処理の機会も多いため、ストレス耐性があり冷静な対応ができる人が望ましいでしょう。

カスタマースタッフの職種

職種 特徴
カスタマーサポート 電話やメールなどのコミュニケーションツールを活用し、顧客の問い合わせや要望に応える職業。親切で丁寧な対応が求められる。
テクニカルサポート パソコン・プリンターなどのデジタル製品に関する技術的な問い合わせに対応する職業。デジタル製品に精通した知識と問題解決能力が求められる。
オンラインカスタマーサポート オンラインチャットやSNSを活用して顧客からの問い合わせに対応する職業。インターネットや電話会社の通信系企業に多い。急な問い合わせが多いため、迅速で的確な対応が求められる。

個人事業主向け仕事の探し方

個人事業主におすすめしたい仕事の探し方は以下の3つです。

  1. フリーランスエージェントを活用する
  2. クラウドソーシングサイトを活用する
  3. SNSを活用する

フリーランスエージェントを活用する

エンジニアやプログラマーなどIT系の職種に限られますが、フリーランスエージェントを利用して仕事探しをするのもおすすめです。

国内で人気のフリーランスエージェント

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おすすめエージェント 支払いサイト おすすめの人/特徴 案件のジャンル マージン率 公式サイト
(全て完全無料)
レバテックフリーランス
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②登録者数10万人超えのNo.1エージェント
③大企業案件が豊富だから単価が高い
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フリーランスエージェントに登録すると、マンツーマンで専任アドバイザーから無料でカウンセリングを受けられます

自分の職歴・保有スキル・実績から適切な求人を紹介してくれるので、複数のサイトに登録して検証してみてください。クラウドソーシングサイトを活用する

クラウドソーシングサイトを活用して仕事探しをするのもおすすめです。

国内で人気のクラウドソーシングサイト

  1. クラウドワークス
  2. クラウドワークステック(旧クラウドテック。2024年8月より名称変更)

エージェントサイトと同じく、クラウドソーシングサイトにもそれぞれ特徴があります。

例えばクラウドワークスやランサーズは、業界未経験者からプロまで網羅的に案件も取り扱う総合型のサイトです。

一方、クラウドリンクスのように専門家向けのハイクラス案件のみ扱う特化型サイトもあります。

自分の職歴やスキル、保有資格から分析してどのサービスを活用するか検討してみてください。

SNSを活用する

Facebook・X(旧Twitter)・LINEなどのSNSから情報を配信し、一般企業から仕事を受注するやり方もおすすめです。

自分で仕事を獲得するための情報配信はすべて自己責任になりますが、システム手数料など無駄なコストがかかりません

また、近年は以下のようなビジネス系SNSの需要も高まっているので、個人媒体と併せて活用してみてください。

  1. Wantedly
  2. LinkedIn
  3. Eight
  4. Workplace

個人事業主になる3つのメリット

個人事業主になる3つのメリット

個人事業主になるメリットは以下の3つです。

  1. 働く時間と場所の制約が少ない
  2. 努力次第で収入が青天井になる
  3. 年齢問わず働ける

働く時間と場所の制約が少ない

個人事業主になる最大のメリットは、ライフスタイルに合わせた働き方が実現できることです。

会社員とは異なり、個人事業主には始業時間や就業時間が固定されません。

稼働時間の調節はすべて個人に託され、早朝・深夜・土日問わず好きな時間に働けます。

また、ライター・デザイナー・エンジニアなどの職業はオンラインから仕事を受注するため、場所の制約を受けません。

ただし、常駐エンジニアなど選ぶ職種や雇用形態によって時間と場所が固定されることがあります。

個人事業主をはじめる際は、クライアントが求める稼働時間や業務スタイルを把握し、自分が求める働き方と合致するか確認しましょう。

努力次第で収入が青天井になる

個人事業主は、成果をあげた分だけ収入になり、努力次第で会社員時代より大幅に稼げる可能性があります。

会社員は毎月安定して勤務先から給与を受け取れますが、仕事で成果をあげても収入に反映されにくいのが現状です。

勤務先によっては長年低収入にとどまることもあり、将来性が期待できない場合は転職か独立を検討すべきでしょう。

もし会社員として働いても収入アップの見込みがない場合は、副業から個人事業主としてキャリアアップを狙うのもおすすめです。

年齢問わず働ける

個人事業主は「定年」という概念がないため、体力と健康が続く限り末長く働けます。

原則、会社員の場合は60歳〜65歳に達すると定年退職する流れになります。

ただ、定年退職した会社員は年金生活になるのが一般的なため、受給額が少ないと生活に困ることになるでしょう。

一方、個人事業主の場合、十分な事業収入があれば老後の生活も安心して暮らせます。

個人事業主になる3つのデメリット

個人事業主になるデメリットは以下の3つです。

  1. 収入が安定しない
  2. 社会保険料がすべて自己負担になる
  3. 確定申告の義務が生じる

収入が安定しない

個人事業主は個人の実力で高収入を稼げますが、収入が不安定になりやすい側面もあります。

会社員は毎月一定の給与を受け取り、安定的な暮らしができます。

しかし、個人事業主は毎月の売上に左右されるため、タイミングによっては月収が激減することがあるのです。

このように売上の変動も見据えて、複数の収入源を確保するなどできるだけ生活を安定させる対策を心がけましょう。

個人事業主の平均年収と手取りの相関表は以下の通りです。

年収と手取りの比較表

社会保険料がすべて自己負担になる

個人事業主の社会保険料は全額自己負担になるため、経済的負担が重くなります。

会社員から個人事業主に転身する際は、独立後に支払う社会保険料の目安を計算して、十分な貯金を用意しておきましょう

個人事業主と会社員の社会保険料・年金の違い

個人事業主 会社員
健康保険 保険料は全額自己負担
医療費負担は3割
前年の所得に応じて保険料が決まる
扶養対象者も保険料が徴収される
会社と折半して保険料を納める
医療費負担は3割
給与等の平均に応じて保険料が決まる
扶養人数問わず金額が決まる
年金 保険料は全額自己負担
納付額は少ないが、将来受け取れる金額も少ない
会社と折半した金額を納める
納付額は高いものの、将来受け取れる金額も大きい

確定申告の義務が生じる

確定申告が必要なケースは以下のフローチャートを参考にしてください。

確定申告のフローチャート

会社員の場合は勤務先が確定申告をおこなってくれますが、個人事業主になると自分で手続きしなくてはなりません。

確定申告が必要なケースは、1月1日から12月31日までの所得が48万円以上になる場合です。

所得税の計算式

課税所得金額 × 所得税率 ー 税額控除額 = 所得税

確定申告が必要な場合は、以下の方法で確定申告書を作成できます。

  1. 国税庁公式ページの「確定申告書作成コーナー」を使用する
  2. 会計ソフトを使用する
  3. 書類を入手して手書きで作成する

手書きで確定申告書を作成する際は、国税庁の公式ページからダウンロードするか、最寄りの税務署で書類を入手してください。

自分で確定申告書を作成するのが難しい場合は、税理士への相談をおすすめします。

以下は自分でできるおすすめの会計ソフトです。

会計ソフトのカオスマップ

個人事業主になる前のやることリスト

個人事業主になる前のやることリスト

個人事業主になる前にやるべきことを、以下の3パターンに分けて解説します。

  1. 退職してから個人事業主になる場合
  2. 副業から個人事業主になる場合
  3. 主婦が個人事業主になる場合

退職してから個人事業主になる場合

会社員から個人事業主に転身する場合は、在籍中に各種ローンやクレジットカードを申し込んでおきましょう

個人事業主は会社員よりも社会的信用度が低く、退職後の申込みは審査に通過しにくいためです。

特に融資額が多額になる住宅やカーローンは、審査落ちの心配が少ない在籍中に申し込んでおくのが賢明です。

また、個人事業主になる前にクレジットカードを作っておくと、想定外の出費にも対応できます。

副業から個人事業主になる場合

会社員を続けながら副業で個人事業主になる場合は、事前に勤務先の就業規則を確認しましょう

会社によっては副業を禁止しているところもあり、無断で副業をするとトラブルになるからです。

副業が勤務先にバレてしまうと、減給や懲戒免職などのペナルティを受けることもあるため気をつけてください。

また、会社員の副業所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。

経費を差し引いた年間の副業の所得が20万円を超えると予測される場合は、早めに確定申告の準備を進めましょう。

主婦が個人事業主になる場合

夫の扶養に入っている主婦(妻)が個人事業主になる場合は以下の点に注意してください。

  • 経費等を差し引いた事業所得が年間133万円以上になると扶養からはずれる
  • 確定申告をする必要がある

主婦も会社員と同様、個人事業主になるには原則開業届の提出が必要になります。

また、年間の事業所得によっては確定申告が必要になるため、財務管理についての知識も身につけておきましょう

個人事業主になるための手順

個人事業主になるための手順

個人事業主になるための手順は以下の4つです。

  1. 開業届を提出する
  2. 青色申告の手続きをおこなう
  3. 国民健康保険と国民年金へ加入する
  4. 確定申告の準備をする

①開業届を提出する

個人事業主として開業するには、事業開始から1カ月以内に税務署へ開業届を提出しましょう。

事業利益が出る前に開業届を提出しても問題ありません。

提出方法は以下の4つがありますが、書類の不備が気になる場合は税務署の窓口に直接提出するのがおすすめです。

  • 税務署の窓口へ提出する
  • 税務署の時間外収受箱へ投函する
  • 郵送で提出する
  • 国税庁のオンラインサービス「e-Tax」で手続きする

提出期限を超えてもペナルティはありませんが、出し忘れ防止のために早めに手続きをおこなってください。

②青色申告の手続きをおこなう

開業届を提出する際は、同時に確定申告の方法について考えておきましょう。

なぜなら、開業届と確定申告の提出先が同じ税務署になるからです。

開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出すると手間が省けます。

個人事業主の確定申告は「白色申告」と「青色申告」の2つがありますが、青色申告の方が税制上有利になるためおすすめです。

青色申告を選ぶメリット

青色申告を選ぶメリットは以下の5つです。

  1. 最大65万円の特別控除が受けられる
  2. 翌年へ赤字を繰り越せる
  3. 家族分の給与を経費として計上できる
  4. 貸倒引当金を経費にできる
  5. 30万円未満の資産を取得した場合、一度に経費に計上できる

※無申請の場合は白色申告として扱われるため注意

青色申告は帳簿づけや申告条件が厳しくなります。

しかし、近年は白色申告でも細かい帳簿づけが求められるようになったため、特典の多い青色申告を選ぶのが賢明でしょう。

③国民健康保険と国民年金へ加入する

会社を辞めて個人事業主となる場合には、社会保険(国民健康保険・国民年金)の切替え手続きをおこないましょう

各手続きの詳細は、下表を参考にしてください。

国民健康保険 国民年金
  • 退職の翌日から14日以内に市区町村役場の窓口で健康保険の切り替え手続きをおこなう。
  • 前職の勤務先で加入していた健康保険を任意継続する場合は、全額負担すると最大2年まで可能
  • 健康保険の任意継続・切り替えは、個人事業の収入に応じて検討する。
  • 個人事業の収入が多い場合は、任意継続の方が健康保険料を節約できる。
  • 会社員の場合は厚生年金から国民年金に切り替える手続きが必要。
  • 退職日の翌日から14日以内に役所にて加入手続きをおこなう。
  • 厚生年金からはずれると将来の年金受取額は少なくなる。
  • 将来の年金受取額を増やす対策として、国民年金基金やiDeCoなどの活用を検討する。

④確定申告の準備をする

開業届を提出したら、早い段階で確定申告の準備を進めておきましょう。

帳簿づけなどの財務管理は煩雑なため、確定申告の時期に始めると期日内に手続きが間に合わなくなる恐れがあります。

特に確定申告が不慣れな個人事業主は注意が必要です。

  1. 会計期間/1月1日~12月31日
  2. 確定申告/翌年の2月16日~3月15日

また、確定申告と仕事の繁忙期が重なるケースもあるため、計画性を持って納税手続きを進めていきましょう。

個人事業主になるために必要な費用

個人事業主に必要な以下の費用について解説します。

  1. 設備投資について
  2. 活用できる補助金について

設備投資について

個人事業主として開業したてのころは、設備投資にお金がかかります。

できるだけコストを抑えたいところですが、仕事で長く使用するため商品選びは妥協しないことがポイントです。

特にパソコンやOA機器は、格安で粗悪な製品は耐久性が低いため、すぐに故障してしまうと結局割高になります。

一度に多額の投資が難しい場合は必要最低限の道具のみ揃え、緊急性のないものは後ほど買いそろえるとよいでしょう。

  • パソコン:15万円〜20万円前後
  • プリンター・スキャナなどのOA機器:20,000円〜50,000円
  • プリンター用インク:3,000円〜6,000円前後
  • 確定申告用の会計ソフト:クラウド型/12,000円(月額1,000円)程度
  • パソコン用の作業台と椅子:5,000円〜30,000円程度
  • 封筒・文房具などのオフィス用品:2,000円程度

上記は、新品で揃えた場合の相場です。

既存の道具を使用する際は、上記の相場よりコストが少なくなります。

活用できる補助金について

個人事業主が活用できる補助金は以下のとおりです。

補助金を受け取るには、事業所の設置や従業員の雇用人数など一定条件を満たす必要があります。

また、地域によって受け取れる補助金の金額が異なるため、詳細は居住する自治体に問い合わせてみてください

個人事業主に関するよくある質問

個人事業主に関するよくある質問をまとめました。

  1. 個人事業主と自営業の違いとは?
  2. 個人事業主とフリーランスはどっちがいい?
  3. 個人事業主で開業届を出していないとどうなる?
  4. 個人事業主をやめるにはどうすればいい?

個人事業主と自営業の違いとは?

個人事業主と自営業に特別な違いはありません。

ただ、事業規模が大きくなると自営業者は法人として経営することがあります。

個人事業主と自営業の違い

個人事業主 自営業
特徴 個人が自身の名義で事業を運営すること。働き方よりも税金を区分するための見方が強い。 自身のスキルや専門知識を活かして独立して働くこと。
税金 所得税・消費税などの納税義務がある。収入と経費の差額が課税対象になる。 所得税・消費税の納税義務がある。事業所得が大きい場合は法人税も考慮する。

個人事業主とフリーランスはどっちがいい?

個人事業主とフリーランスのどちらがいいとは一概にいえず、本人の判断に委ねられます

ただ、開業届を提出する個人事業主の方が以下のような特典を受けられます。

  1. 確定申告で青色申告が可能になる
  2. 屋号で銀行口座を開設できる
  3. 補助金・助成金の申請ができるようになる
  4. 法人用のクレジットカードを入手できる

個人事業主で開業届を出していないとどうなる?

事業開始から1ヶ月以内に開業届を出すよう義務づけられていますが、提出しなくても違法にはなりません

また、開業した年の事業収入をまとめ、確定申告をすることで開業届の代わりとなります。

個人事業主をやめるにはどうすればいい?

税務署と都道府県税事務所に廃業届を提出することで、個人事業主を辞められます

ただし、廃業してもその年の事業所得をまとめ、確定申告をする必要があります。

また、契約している取引先には廃業する旨を伝え、支払いが残っている場合は廃業前にすべて清算しておきましょう。

まとめ|個人事業主になれるのは責任感があり的確な準備ができる人

自分の行動に責任を持ち、事業をはじめるための準備ができる人は個人事業主に向いているでしょう。

なぜなら、個人事業主は事業の経営者であり、全責任が自分の肩にかかるからです。

会社員の場合、営業活動や煩雑な事務処理などはほかの社員が担当してくれます。

しかし家族経営や外注化しない限り、個人事業主は自分1人で事業展開をしなくてはなりません。

特に売上の要となる営業活動や確定申告などの財務処理は、実務経験がないと難しく感じることもあるでしょう。

できるだけスムーズに事業を進めるために、個人事業主になる前から自己投資をして苦手分野に対応できるよう努めてください。

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