「フリーランスを目指すものの、不安定だという声が多く、躊躇してしまう」
「フリーランスにおける困難さや過酷な部分が具体的にどのようなものか理解できない」
このような悩みを抱えて、自分がフリーランスに向いているかどうか判断できずにいる人は少なくありません。
本記事では、フリーランスという働き方の大変な点を解説し、さらにフリーランスが不安定性を克服するための方法を提案していきます。
一般的にフリーランスは不安定な働き方とされていますが、同時に多くのメリットも存在しています。
もし迷っているのであれば、ぜひこの記事を参考に、フリーランスという選択肢が自分に適しているかどうか検討してみましょう。
フリーランスは現代の代表的な働き方のひとつとして位置づけられている
フリーランスは今日の労働市場において、主要な働き方のひとつとしてしっかりと定着しているのです。
以下の2点がその理由です。
- フリーランスの現状と増加傾向
- 会社員の安定性を再考する必要性
フリーランスの現状と増加傾向
近年、フリーランスという働き方がどんどん増えてきており、日本国内においてもフリーランスの存在はますます身近なものになっています。
ランサーズ社が公開した「新・フリーランス実態調査2021-2022」によると、2015年時点での日本国内のフリーランス人口は913万人であった一方、2021年にはフリーランス人口が1577万人にまで増加しています。
2020年以降、新型コロナウイルスの影響を受けてフリーランス市場も拡大し続けており、そのことが増加の一因とも言われています。
さらに、2019年に実施された「働き方改革」もフリーランス人口の増加を後押しする原因となっており、社員による副業が奨励されることで、新しい働き方への注目が高まっています。
こうした状況から、フリーランスはこれからもっと一般的な働き方となり、今後ますますフリーランスは増えるであろうと予想されます。
会社員の安定性を再考する必要性
かつては会社員という働き方が安定性のあるものとされていましたが、現代ではその安定性が疑問視されることもあります。
IT業界やAIの発展により人件費削減への取り組みが進んでおり、自分が勤める企業が本当に安定しているのかは今後分からなくなってきています。
一方で、フリーランスは自分自身で仕事の見極めやスキルアップをして収入を獲得していくことが可能です。
現状は会社員のほうが安定しているかもしれませんが、将来どのような変化があるかは予測できません。
フリーランスに向いているかどうかを判断するために、自分がどのようなタイプの人物かを診断してみましょう。
フリーランスが金銭的に厳しい点
フリーランスは、会社員と異なり、いくつかの厳しい側面も存在します。
特に、フリーランスが直面する金銭面での困難さは次の4つにまとめられます。
- 経費がかさむことへの対処
- 確定申告の手続きが煩雑
- 仕事獲得のために営業活動が継続的に必要
- 長期契約がないうちは収入が不安定
経費がかさむことへの対処
フリーランスとして活動している場合、すべての業務に対して自分ひとりで責任を負うことになるため、交通費や資料調達などの経費が発生します。
このため、稼いだ収入のすべてが手元に残るわけではなく、自分の利益となる金額を正確に把握しながら稼ぐ必要があります。
フリーランスにはお金の管理やスケジュール管理が求められるため、その点でストレスや労力が必要になることがあるでしょう。
確定申告の手続きが煩雑
フリーランスは、自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告には、正確な記帳が必要で、レシートや領収書はきちんと保管しておく必要があります。
細かな事務作業が苦手な方にとっては、この点が苦痛に感じられることがあります。
税理士に依頼することもできますが、それには費用がかかりますので、経済的な負担も生じます。
仕事獲得のために営業活動が継続的に必要
フリーランスは、一定の収入を確保するために、継続的に営業活動を行う必要があります。
自分で積極的に仕事を探さなければならないため、複数のプロジェクトに参加しながら仕事を受注することが一般的です。
営業や自己アピールが得意でない方は、この点で苦労することがあります。
また、まだ実力が十分でない場合は、仕事獲得が難しく、安定的に収入を得るまでに時間がかかることもあります。
長期契約がないうちは収入が不安定
長期契約が結べていない場合、フリーランスの収入は不安定になることがあります。
通常、フリーランスは複数の案件を同時に進めて収入を得るものですが、それらの契約期間が短い場合、安定した収入を得ることが難しくなります。
短期契約の案件ばかりではなく、長期契約の案件を獲得することで、将来的に安定した収入を得られるようになりますが、そのような案件を見つけることは容易ではありません。
このため、収入の不安定さに悩むフリーランスが多く見られます。
フリーランスが精神的に大変な点
フリーランスが精神面で大変だと感じる要因は、主に以下の4つです。
- 孤独な状況に直面する
- 仕事と休みの切り替えが難しい
- 不安障害を抱えるリスクが高い
- 収入の不安定さによる精神面の維持が困難
孤独な状況に直面する
フリーランスは独立して仕事を行うため、孤独を感じることがしばしばあります。
社員として働く場合には人間関係の複雑さもありますがストレスも同時に発生しますが、フリーランスはそれがなく、誰とも話さずに一日が終わることもありえます。
対人関係がなくても問題ないと考える人でも、実際には孤独を感じる可能性が高まります。
孤独感が増すことで精神的な負担が増し、ストレスが溜まりやすくなると言われています。
そのため、フリーランスは精神的な健康維持のためにも、定期的に人と交流することが必要です。
仕事と休みの切り替えが難しい
フリーランスの場合、仕事がいつでもできるが、平日と休日の明確な境界がないため困難が伴います。
そのため、オンとオフの切り替えが難しく、休日であっても仕事が手放せない人が少なくありません。
切り替えがうまくいかないと、身体や心がリラックスできず、ストレスが高まるでしょう。
会社員と同じく、平日は仕事に励んで休日は休むといった切り替えがとても重要です。
不安障害を抱えるリスクが高い
不安障害は、恐怖感や身体的不安から漠然とした不安に襲われて何も手に付かなくなる状態を指します。
孤独感から不安障害を発症する人が多く、フリーランスは孤独感が増えやすい職種であるため、不安障害になりやすいとされています。
フリーランスには傷病手当がないため、こうした病気にかかると治療費や生活費が重荷となります。
それゆえ、心のケアも重要であり、フリーランスとしての生活が大変と感じる人も多いと言われています。
収入の不安定さによる精神面の維持が困難
フリーランスは、安定した収入が得られるまでの期間、メンタル面の維持が大変です。
最初は仕事を獲得することも難しく、収入が不安定になりがちです。
そのような状況を避けるためにも、生活費を賄えるだけの資金やいくつかの契約を確保してから会社員を辞めることが重要とされています。
精神面の維持には事前の準備が欠かせないです。
フリーランスは健康管理が大変
健康管理においてフリーランスが直面する大変な点は、以下の2点が挙げられます。
- うつ病に苦しむものの、フリーランスには休む余地がない
- 労働不能になった際の手当が得られないフリーランス
うつ病に苦しむものの、フリーランスには休む余地がない
フリーランスは、うつ病に陥っても休みを取ることが非常に難しいのです。
これに対して、会社員であれば休職制度を利用することで、一定期間休むことが可能です。
しかし、フリーランスにはそういった制度が存在せず、うつ病を患っても働かざるを得ない状況が続きます。そのため、働けなくても稼げないという厳しい状況に置かれることがフリーランスの困難な点です。
労働不能になった際の手当が得られないフリーランス
フリーランスのもう一つの問題点は、労働不能になった場合でも手当が支給されないという現状です。
病気や事故などで働けない状態になっても、フリーランスは手当を受けることができません。そのため、労働が唯一の収入源となり、選択肢が限られた状況に立たされます。
このような理由から、フリーランスがより一層健康管理に努め、良好な状態を維持して働くことが求められるでしょう。
フリーランスが不安定と称される理由は何か?
フリーランスが不安定と評される主な理由は、次の3点が挙げられます。
- 安定した給料がない理由
- クラウドソーシングを利用して収入を得るのが難しい理由
- 継続的なスキルアップが求められる理由
以下にわかりやすく表でまとめました。
問題点 | 説明 |
---|---|
安定した給料がない | フリーランスは自分で仕事を見つけ、収入を得るため、働いた時間や成果によって収入が変動します。これは働いた分だけ報酬が支払われるため、安定した収入を得ることが困難です。 |
クラウドソーシングを利用して収入を得るのが難しい | クラウドソーシングは手軽に仕事を見つけられる一方で、多くの案件が低単価であり、またプラットフォームが手数料を取るために得られる収入は限定的です。これにより、収入は不安定のままです。 |
継続的なスキルアップが求められる | フリーランスは競争が激しく、スキルアップを怠ると他の人に取って代わられる可能性があります。また、スキルの向上は、報酬を上げることにも繋がります。そのため、継続的なスキルアップが重要です。 |
安定した給料がない理由
フリーランスは固定給の制度が存在しないため、働いた分だけ報酬が支払われます。
自身で仕事を見つけ、取り組むことで収入を得るため、働いた時間や成果によって収入は変動します。
その結果、働く時間が少なかった月は収入が減りますが、たくさん働いた月は高額な報酬が手に入るという仕組みになっています。
自由に働く時間を管理できる反面、安定した収入を得られないことから、不安を感じる方も多いです。
クラウドソーシングを利用して収入を得るのが難しい理由
クラウドソーシングは多くのフリーランスが利用するポピュラーな手段ですが、多くの案件が低単価なものであることが課題です。
また、クラウドソーシングプラットフォームは手数料を取るため、得られた報酬の全額が手元に届くわけではありません。
はじめのうちはクラウドソーシングを通じて仕事を獲得することが必要かもしれませんが、他の収入源を開拓しなければ、収入は不安定のままです。
継続的なスキルアップが求められる理由
フリーランスの仕事は、常にスキルアップが求められる職種です。
最近では、フリーランスの数が増加しており、スキルの向上を怠ると他の人に取って代わられる可能性が高まります。
また、スキルの向上は、単価を上げることにも繋がりますので、フリーランスとして活躍するためには、継続的にスキルアップを心がけることが大切です。
フリーランスの不安定さにもかかわらず、稼ぐことは可能です
フリーランスは収入が不安定であることは確かですが、それでも十分に稼ぐことはできます。
以下3つの観点から、フリーランスとして成功するためのポイントを解説しましょう。
- 単価向上の可能性
- 複数の収入源を持つことができる
- 節税方法が豊富
単価向上の可能性
スキルアップによってフリーランスは単価を上昇させることができるのです。
単価が上がれば、同じ売上を達成するために必要な契約数が減るため、営業活動にかける時間が短縮できます。
会社員の場合、固定給が支払われるためスキルアップが給与に即座に反映されることは難しいですが、フリーランスは自らの能力を向上させることで、報酬額を上昇させることができるのです。
フリーランスは最初は不安定かもしれませんが、地道に努力を重ねることで、安定的に収入を得ることが可能になるという特徴があります。
複数の収入源を持つことができる
フリーランスは複業によって、さまざまな収入源を持つことが可能です。
例えばライターの場合、さまざまなクライアントと契約を結びながら自分自身のブログも運営し、アフィリエイト収入も得られるでしょう。
会社員は副業が制限されている場合が多く、複数の収入源を持つことが難しいですが、フリーランスは働き方の自由さがあるため、収入の柱を増やすことができます。
節税方法が豊富
フリーランスは会社員に比べて、より多くの節税方法が利用できるのです。
経費を適切に計上することで、実質年収が減少し、所得税の負担を軽減することができます。
もちろん、経費は仕事に関連するものに限りますが、会社員と同じ収入を得ていても、節税効果によって手取り額を増やすことが可能です。
フリーランスが不安定な状況から脱する方法
フリーランスが不安定な状況を乗り越えるためには、以下の6つの方法を実践していくことが有効です。
- 契約数を増加させることが重要
- 家以外の場所で働くことでメンタルを維持
- 仲間を増やすためにSNSも活用
- 確定申告ソフトの利用
- 継続的にスキルを向上させる
- クラウドソーシングの活用を最大限に行う
契約数を増加させることが重要
契約数を増加させることを目指しましょう。
フリーランスの不安定さは、十分な収入が得られないことが一因だといえます。
収入を向上させるには、契約数を増やすことが最も効果的です。
最初は多忙であったり、仕事が過多で休む時間がなくなるリスクもありますが、契約を進め、信頼関係を構築することで単価が上がったり、直接契約につながります。
これにより、収入も徐々に増えるため、まずは契約件数を増加させることが重要です。
家以外の場所で働くことでメンタルを維持
孤独を感じる場合、家以外で働くことで気分転換を図りましょう。
フリーランスは、自宅以外にも喫茶店や図書館など、好きな場所で働くことができるのが特徴のひとつです。
家に閉じこもってばかりの状態では、精神的にも疲れてしまいます。
週に何度か家の外に出て働くことを習慣づけ、リフレッシュしながら効率的に仕事を進めましょう。
仲間を増やすためにSNSも活用
SNSを利用して仲間を増やすことで、一緒に働いている感覚が得られ、孤独感を減らすことができます。
ただし、SNSはストレスを感じやすい媒体なので注意が必要です。
自分よりも高収入の人や、契約件数が多い人を見て嫉妬や焦りを感じてしまうと、ストレスが増幅されてしまいます。
適度な距離感を保ちながら、仲間と助け合い、孤独感を緩和させることを目指しましょう。
確定申告ソフトの利用
確定申告の煩わしい事務作業を軽減するために、確定申告ソフトを活用することが効果的です。
今日では、様々なソフトウェアが利用できます。
以下に、いくつかの代表的なソフトを挙げます。
- 弥生の確定申告ソフト
- Money Forwardの確定申告ソフト
- freeeの確定申告ソフト
これらの確定申告ソフトを用いることで、手間のかかる事務作業が軽減され、ストレスから解放されるでしょう。
税理士を雇うほどの費用はかけたくないと考えている方にとって、手軽に使える確定申告ソフトはお勧めです。
これによって、確定申告のプロセスがスムーズに進み、時間とコストを節約することができます。
確定申告の季節が近づくと、毎年悩む方も多いですが、上記のような確定申告ソフトを有効活用することで、効率的に確定申告を済ませることができます。
是非、詳細な情報を調べて、自分に適した確定申告ソフトを見つけてみてください。
継続的にスキルを向上させる
フリーランスの方々は、スキル向上に日々努めることが重要です。
スキルの向上は、単価を高めることにつながり、さらにはクライアントとの直接契約やより高額な案件を獲得しやすくなります。
フリーランスは一人で仕事を進めることが多いため、自分のスキルがそのまま仕事の品質や評価を左右します。
常にスキルの向上を目指すことで、自身への自信が増し、フリーランスとしての不安感から脱却できるでしょう。
クラウドソーシングの活用を最大限に行う
クラウドソーシングを知恵を絞って活用しましょう。
確かに、クラウドソーシングでは低単価の案件が多く、クラウドソーシングだけに頼ろうとすると限界を感じることもあります。
ただし、実績がない状態では高単価の案件を獲得するのは困難です。
そのため、クラウドソーシングを経験値や実績を積むためのプラットフォームと捉え、積極的に活用することが大切です。
まとめ|フリーランスでも十分に収益をあげることができる
フリーランスとして働くことには、お金や精神的側面、健康管理など様々な困難や課題が存在します。
また、固定給制度がないことから、働き方が不安定であると感じる方も少なくありません。
しかしながら、フリーランスは自分で仕事や働き方を選べるため、自分の好きな方法で労働し収益を上げることができます。
初めは収益が低く不安に感じることもありますが、コツコツとスキルを向上させたり努力を続けることで、フリーランスとしての不安定さを克服できるでしょう。
フリーランスはある程度のリスクが伴いますが、収益を上げる方法は数多く存在しています。
これからますます増えていく新しい働き方の一つであるフリーランスに、今のうちから取り組んで、将来に向けて準備を始めることも重要です。